緊急時の移動: ターミナル3と無料シャトルバスの活用

セブやバコロドなどの地方都市では滅多に起こりませんが、マニラのような大都市の空港では、空港が機能停止したり、Grabや通常のタクシーが利用できず、利用者が立ち往生するなどの問題が発生することがあります。このような問題が生じる主な原因は以下の2点です。

  1. マニラ市内で何らかのトラブルや予期せぬ事態が発生した。
  2. 空港内で何らかのトラブルや予期せぬ事態が発生した。

そんな時、ターミナル間無料シャトルバスを利用してターミナル3(T3)に一時避難する選択肢がありますので、心の片隅に留めておいてください。

ケース1:NAIAの航空関連施設が24時間機能停止

NAIAがマヒしてセブに向かう団体大学生がベンチで夜明かし

2018年夏、アモイ航空の飛行機が滑走路をオーバーランし、結果としてマニラ空港は24時間機能停止となりました。この影響で、セブへのトランジットを予定していた32名の大学生はターミナル2のベンチで夜を明かすこととなりました。マニラ空港ターミナル1とターミナル2は休憩するには最適ではないため、施設やお店が整ったターミナル3での滞在が理想的でしたが、ターミナル3へは夜間に街中を通って移動しなければならなかったため断念し、ターミナル2で一晩を過ごしました。翌日、エージェントとともに無料のターミナル間シャトルバスでターミナル3に移動し、セブ行きのフライトはさらに翌日になるため、NAIAには合計2泊3日の滞在となりました。 

NAIA T2(マニラ空港ターミナル2)の2階ベンチに固まっている研修の学生たちを発見。みんなぐったりしています。

ターミナル間無料シャトルバス乗り場に行きターミナル3に移動する学生たち。ターミナル1と2はまともな休憩所がなく一晩をすごすには大変しんどい場所です。打って変わってターミナル3は旅行者の受け入れ態勢とホスピタリティがばっちり整っています。写真はターミナル2にあるターミナル間無料シャトルバス乗り場の待合室。

ターミナル3に到着後、すぐに最上階のラウンジに移動し、日本人経営の休憩所「Wing」を利用。この施設では32名を収容するのは難しいため、同経営のマニラ市内のサウナ付きホテルと特別料金での宿泊交渉を行い、25名がこれを選択しました。翌日、ホテルからは飛行機の出発時間に合わせて送迎バスが手配され、残り7名はターミナル3のラウンジで夜を過ごした後、再度ターミナル2へ移動。翌日、全員がセブ行きの飛行機に搭乗し、留学研修が始まりました。

ケース2:Grabとタクシーがマヒ

Grabとタクシー乗り場は行列、車は来ない

タクシーやGrabが動かなくなるケースを考えてみましょう。マニラ市内で大きな交通事故が発生したり、外国からのVIP来訪などで道路が規制されると、大渋滞に陥ることがあります。この結果、都市部でのタクシーの需要が増え、空港まで乗客を拾いに来るタクシーの数が減少します。そのため、空港のタクシー乗り場では長蛇の列ができるのですが、これは乗客が増えたからではなく、タクシーが足りなくなったためです。このような状況では、一般のタクシーやGrabを頼ることはできません。

マニラ空港に到着予定の留学生で、学校が提供するピックアップサービスを利用する予定の方は、予定通りにそのサービスを使用すれば問題ありません。しかし、自力で学校へ移動する予定だった方や、留学生ではないがマニラ滞在を予定している方は注意が必要です。

ピックアップサービスを予定していなかった方でも、ピックアップ待ち合わせ場所に行き、自分の所属する学校のスタッフに事情を話して同乗を頼むことができます。通常、スタッフは対応してくれるでしょう。費用は学校到着後に支払う形となります。ぼったくりタクシーは白タクのような非合法タクシー。違法ですが空港では見て見ぬふりをされている存在。

一方、ピックアップの予定はなく、マニラ市内で数日過ごす後、学校や別の目的地に向かう予定だった方は2つの選択肢が考えられます。1つ目は高額ながらもすぐに移動できる「ぼったくりタクシー」を利用する方法、2つ目はT3への移動を考え、そこで状況を見守る方法です。

市内にすぐに入らなければならない事情がある方は、通常の5〜6倍の価格で提供される「ぼったくりタクシー」を利用することができます。

もし余裕があり、高額なタクシー料金を避けたい方は、ターミナル間の無料シャトルバスを利用してT3に移動しましょう。T3には休憩所、マッサージ店、カフェ、ラーメン屋などが完備されており、エアコンもしっかり効いているため、快適に過ごせます。Grabやタクシーが通常運行に戻れば、そのままT3からマニラ市内へ移動することができます。

T3から長距離バス利用可能

ターミナル3からクラーク国際空港行きの直行バスが出ています。クラーク・アンヘレス、スービックに行かれる方はこちらを利用できます。直行便ですがマニラ中心部オルティガスのロビンソンの前で停車するのでこれを使ってマニラ中心部に移動可能です。叉クラークからバギオ行きの長距離バスが頻繁にでているのでバギオ行きならターミナル3の長距離バスをお勧めいたします。

マニラ空港T1からT3に移動、バスでクラークへ

以下は、ジェットスター利用で成田からNAIAターミナル2に到着した後、無料のシャトルバスでターミナル3へ乗り換え、クラーク国際空港行きのバスを利用してアンヘレスのバリバゴまで移動する手順を収めた動画の内容です。また、2023年の夏より、ジェットスターのマニラ空港到着ターミナルが1から3へと変更されました。現在、日本からマニラ空港ターミナル1に到着する航空会社はJALのみとなっています。ターミナル2にはフィリピン航空が、ターミナル3にはジェットスター、全日空とセブパシフィックが到着しています。