快適な留学生活のための交通ツールと使い方
フィリピンでの滞在中、日常生活において様々な乗り物を利用する機会が多くあります。それぞれの乗り物がどのような時に役立つのか、料金はいくらかかるのか、どのように利用するのか、気をつけるべき点などを、乗り物ごとに詳しく説明していきます。
トライシクル
フィリピンで滞在する間、ジプニーに次いで頻繁に利用するであろうトライシクルは、2~3kmといった短距離移動に特に便利です。トライシクルの利点は、手軽に捕まえられる点にあります。気軽に乗車でき、車が入れない細い道もスムーズに通り抜けることができるため、目的地までの近道を進むことができます。スーパーや市場に行く際には、買い物が済むまで待ってくれ、乗車した場所まで戻ってくれるサービスを提供しています。例えば、セブのカルボンマーケット隣にあるパシル魚市場はタクシーでは入れませんが、トライシクルならば近くまで入ることができます。そういった地域は他にもいくつか存在します。
運賃に関しては、タクシーのメーター運賃と大差はありませんが、はっきりとした料金表があるわけではなく、相場に基づいた金額での支払いが一般的です。このような曖昧な支払い方式が不満の種となり、Grabの登場以降は、Grabを利用する市民や留学生が増加しています。
トライシクルのドライバーには縄張り意識があり、特定のグループが特定の場所で待機していることが一般的です。英語学校の生徒たちは彼らにとって大切な客なので、学校前をたまり場にしているグループも多く見られます。こういったグループのドライバーは通常、相場を守り、トラブルを起こすことはありません。しかし、顔見知りのいない場所でトライシクルを利用すると、高額な料金を請求されることがしばしばあります。通常は乗る前に料金を交渉して確定させることが望ましいのですが、中には不当な価格を要求するドライバーもいます。
それとトライシクルにはフィリピン人プライスと外国人プライスのダブルスタンダードがあって、通常外国人の運賃は現地人より1割ほど高いです。
ジプニー
ジプニーは庶民の足として知られており、5~6kmの固定ルートを定期的に行き来しています。乗車料金は一回につき20~30円程度で、正式な停留所は存在せず、ルート上の任意の場所で乗り降りすることができます。ジプニーを上手く乗り継げば、その街周辺の様々な場所にアクセスすることが可能です。留学生たちも日常的にジプニーを利用することが多いですし、タクシーを捕まえるのが難しいバギオのような街では、ジプニーの乗り方をいち早く覚えるべきでしょう。
ジプニーは公共の交通機関ではなく、国の援助を受けた個人の事業として運営されています。車内に十分な人数が集まった場合、運転手と交渉して車両を借り切ることも可能です。以前はマニラの北部、ケソン市で強盗事件が多発していましたが、最近ではそのような話はあまり聞かれません。それでも、マニラでのジプニー利用は極力避け、特に夜間の利用は控えるべきです。乗車時は安全のために複数人で行動することを推奨します。乗車時には手を挙げて、降車時には手の甲などで車内の屋根裏を叩いて運転手に知らせます。車中ではスリに注意し、眠ってしまうことがないよう気をつけてください。
中・長距離バス
中・長距離バスはフィリピンのサービス業の中でもっともコスパいいものの一つ。安いですし、清潔です。快適さは日本の観光バスと変わりません。写真のようなゆったりした3シートバスもあります。例えばマニラから世界遺産があるビガンまでは400㎞。移動時間は10時間程度。この区間の運賃はデラックスバスで2,000円前後です。中距離長距離バスは飛行機+タクシーのコンボで行ける場所も行きますし、飛行機で行けない場所も行きます。セブのモアルボアル、マラパスクア、オスロブ、イロイロのギガンテス、ボラカイ、バコロドのドゥマゲッティ、マニラのタガイタイ、バギオのビガン、サガタなどこれぞ地域リゾートの目玉と呼ばれる場所は皆バス移動です。
長距離バスの場合3~4時間に一度休憩があります。ただ休憩所の食堂よりバスが停車している時にバス周辺に群がってくる物売りたちの食べ物がものすごくおいしいです。餅、チマキ、ピザのような焼き物、焼トウモロコシなど。近くにある家で作って出来立てを持ってくるのでしょう。そういう食べ物に抵抗がない方にはおすすめです。 バスターミナルも各都市の真ん中に位置するので利便性もいいです。基本的にあらゆる面で満足度が高い中長距離バスですがクリスマスやイースター(キリスト復活祭)など家族が集まる祝日直前はものすごく混雑してバスに乗れない場合もありますのでご注意ください。 中長距離バスに乗るにはバスターミナルに行って行先が書いてあるボードをチェックしてバスに乗り込むだけです。あとは出発後に車掌さんがお金を徴収しに来ます。
バスはジプニーのように道路の途中で客をおろしてくれるような事はいたしません。バスターミナルで下車させます。 注意点は寒い事。車内はエアコンがガンガン効いています。やりすぎなくらいです。長袖の上着は必需品です。
タクシー
フィリピンでタクシーを乗らない事はまずないです。どこの空港に行くにも市内からの移動手段は基本タクシーになります。タクシー料金は日本に比べてはるかに安いので手軽です。 イロイロやバギオ、ダバオでは1円単位のおつりもきっちり返してくるとよく美談が聞こえてきますが、マニラやセブでは金銭にまつわるトラブルがささやかれます。メーターでは走らず事前交渉で料金を決めたり、チップをしつこく要求されたり。トラブルフリーで自分がいる場所に呼びつける事ができて、値段も安いGrabを使えるシチュエーションでしたらGrabを呼びましょう。こちらGrabの使い方がわかる記事です。
フィリピンの一般タクシーの乗り方は日本と同じです。手を挙げて止まったタクシーに乗り込みます。ただ自動ドアではないので自分でドアを開けます。出る時も自分で閉めます(Grabも同じ)。車に乗ればメーターをチェックしましょう。前の客のメーターをクリアしないでそのまま使おうとする悪い奴がたまにいます。 それとフィリピンは日本と逆の右側通行/左ハンドルですのでいつもと逆方向から車が来ると言う事をフィリピン滞在中は意識してくださいませ。
自転車とバイク(番外編)
非常に少ないですが自転車タクシーもあります。ビレッジと呼ばれる広大なお金持ち集団団地の正門に待機していて、徒歩の居住者をビレッジ奥の家や近くの繁華街まで荷車付き自転車でつれていってくれます。運賃はジプニーと同じくらいで1回20~30円。セブのマクタン島やマニラで探せます。
セブの道を歩いていると「need a ride?(乗らない?)」と声を掛けてくるバイカーがいます。白タクのバイク版です。値段は一般タクシーやGrabよりちょっと安いくらい。皆さんタクシーかGrabを使われるので白タクバイクに乗られる事はないでしょうが、そういう存在がいるという事だけ記憶してください。思いっきり非合法な乗り物です。